日蓮大聖人は、末法の全人類を、三大秘法という根源の仏法を以てお救い下さる「下種の本仏」であられる。
大聖人はご入滅に際し、あまたの弟子の中から日興上人を選んで三大秘法を付嘱されると共に、日本一同が「南無妙法蓮華経」と唱える広宣流布の時いたれば、一国の総意を以て、富士山に本門戒壇(国立戒壇)を建立すべき旨を御遺命された。
このことは次の御付嘱状に明らかである。
「日蓮一期の弘法、白蓮阿闍梨日興に之を付嘱す。本門弘通の大導師たるべきなり。国主此の法を立てらるれば、富士山に本門寺の戒壇を建立せらるべきなり。時を待つべきのみ。事の戒法と謂うは是なり。就中我が門弟等此の状を守るべきなり」と。
日興上人はこの国立戒壇建立の御遺命を奉じて、広宣流布の礎たるべき本寺を、正応三年(1290)に富士山麓の大石ヶ原に建立された。これが世界唯一の仏法の正統「富士大石寺」である。
爾来七百年、富士大石寺は国立戒壇の建立を、唯一の宿願・悲願として三大秘法を弘通してきた。
富士大石寺には五百余の末寺がある。これを包括する宗教法人の名称を「日蓮正宗」という。顕正会はこの日蓮正宗の信徒団体として、昭和三十二年八月に「妙信講」の名称を以て発足した。
そしてまた、創価学会も同じく日蓮正宗の信徒団体であった。ゆえに創価学会も当然、国立戒壇建立を唯一の目的としていたことはいうまでもない。このことは池田大作第三代会長(当時)の「国立戒壇の建立こそ、悠遠六百七十有余年来の日蓮正宗の宿願であり、また創価学会の唯一の大目的なのであります」(大白蓮華第59号)の言に明白である。
ところが、政治野心を懐いた池田大作は、〝国立戒壇は憲法違反と批判されて選挙に不利になる〟として、自ら「国立戒壇」を否定した上に、大石寺境内に俄に建てた「正本堂」を「御遺命の戒壇」と偽った。
このたばかりは、日蓮大聖人の一期の大事たる御遺命を破壊せんとするもので、とうてい許されざる悪行である。
しかるに、この悪行を制止すべき日蓮正宗の高僧らは、学会の金力と権力に諂って、この大悪事に協力したのであった。
これを見て顕正会は御遺命を守らんと、学会・宗門を強く諫め続けた。悪事露顕を恐れた学会は、ついに宗門を動かし、「宗門が禁じた国立戒壇を主張するゆえ」との理由で、顕正会を解散処分に付せしめた。このとき顕正会は会員数一万二千人であった。
この処分がいかに理不尽なものかは、宗門の細井日達管長自身が、管長就任当時には富士大石寺の伝統教義のままに「富士山に国立戒壇を建設せんとするのが日蓮正宗の使命である」(大白蓮華104号)と述べていたことからもわかる。
細井日達管長と次の阿部日顕管長は二代にわたり、学会にへつらい、その傀儡となって、御遺命破壊の悪事に加担したのであった。
だが大聖人は、このような御遺命破壊の悪事を許し給わなかった──。
まもなく学会と宗門の癒着に亀裂が生じ、それは激しい抗争へと発展した。この自界叛逆(仲間われ)こそ御遺命違背の罰であった。その凄まじさ──池田大作が阿部日顕管長の醜行をあばき立てれば、阿部管長は池田を信徒除名処分にすることで応じた。そして瞋恚のおもむくところ、阿部管長はついに、池田が誇りとしていた正本堂を、打ち壊してしまった。
この成り行きを仏法の上からみれば、すべては大聖人の御仏意である。すなわち、大聖人は御遺命破壊の大悪を断じて許し給わず、ゆえに顕正会をして立たしめ諫暁せしめ、さらに諸天をして自界叛逆せしめ正本堂を打ち壊わしめ給うたのである。
そして、学会・宗門の現状を見れば──
学会は国立戒壇の御遺命を抛ったのみならず、平成二十六年(2014)十一月七日、創価学会会長・原田稔は全国総県長会議において「弘安2年の御本尊は受持の対象にはいたしません」(聖教新聞・平成二十六年十一月八日)と公表した。これは創価学会としての公式な機関決定であった。
学会はついにあろうことか、大聖人出世の御本懐たる「本門戒壇の大御本尊」を捨て奉ったのである。これこそ極限の大謗法である。
一方、宗門は偽戒壇・正本堂が崩壊したのちも、この大悪事に協力した改悔は一分もなく、今もなお国立戒壇を否定し続けている。そのうえで今、恐れ多くも、戒壇の大御本尊を営利の具として不敬の御開扉を強行している。
このような学会・宗門の現状こそ、まさしく「正系門家の濁乱その極に達した」の姿そのものではないか。
その後、顕正会は解散処分の弾圧に屈することなく、かえってこの弾圧を機に、いよいよ富士大石寺の清らかな源流たる日興上人・日目上人の御精神に立ち還った。そして一筋の死身弘法は平成三〇年七月、ついに二百万人に達した。
そしていま、日本の亡国を眼前にして、日蓮大聖人の「立正安国」の仏勅のまま、国立戒壇建立をめざし、身を捨てて立っている。
ちなみに、学会と宗門は、正本堂が崩壊したのちも改悔なく、共に犯した「国立戒壇放棄」の大罪を隠すため、あらゆる虚言を構えて、国立戒壇の正義を堅持する顕正会を陥れようとしている。現在、インターネット上で、おびただしい数の卑劣な讒謗が並べられているが、これも御遺命に背いた学会・宗門の怨嫉の只ならぬを示すものである。
いま日本国において、日蓮大聖人の御遺命を命かけて奉じ、日興上人・日目上人の御精神のままに戦っている清浄の団体は、「冨士大石寺顕正会」以外にはないのである──。